日米欧中央銀行の協調介入

日米欧中央銀行の協調介入

2007 年 8 月の世界同時株安で述べたように、2007 年 8 月 9 日にヨーロッパでサブプライム向け住宅ローン問題による異常事態が発生しました。

  1. ドイツの IKB 産業銀行をドイツ復興金融公庫 KFW が救済
  2. フランスの BNP パリバ傘下の 3 ファンドが売買凍結

事態を重く見た日米欧中央銀行は、2001 年 9 月の同時多発テロ以来となる協調介入を決定します。

  • 日本銀行 Bank of Japan(日銀)
  • 連邦準備制度理事会 Federal Reserve Board (FRB)
    • オペ実行はニューヨーク連銀
  • 欧州中央銀行 European Central Bank (ECB)

1997 年 11 月、日本では三洋証券が無担保コール市場でデフォルト(債務不履行)を起こしたことを切っ掛けに、短期金融市場への資金の供給者がいなくなって急激な信用収縮が生じ、北海道拓殖銀行や山一証券の破綻にまで波及しました。

日本の金融危機に学んだ日米欧中央銀行は、短期金融市場でデフォルトが発生しないように大慌てで資金を供給したものと思われます。

2007 年 8 月 13 日までに、合計 40 兆円を超える大量の資金を短期金融市場に緊急供給して世界同時株安の沈静化を図ったのですが、15 日のダウ工業株 30 種平均株価は約 4 ヶ月振りに 13000 ドルを割れ、17 日の日経平均株価は約 1 年振りの安値となる 15273 円 68 銭となりました。

日米欧中央銀行の資金供給
日付 日銀 FRB ECB
2007/8/9 1 兆円 240 億ドル 948.0 億ユーロ
2007/8/10 - 380 億ドル 610.5 億ユーロ
2007/8/13 - - 476.7 億ユーロ
2007/8/14 - - 77.0 億ユーロ

FRB は 17 日、主要な政策手段であるフェデラル・ファンド金利(FF レート)を 5.25 % に据置きつつ、個別金融機関への貸出金利である公定歩合を 0.5 % 引下げ、更に貸出期間を通常の 1 日から最大 30 日に延長しました。

30 日の記者会見の「日銀は新たな流動性供給対策を取らないのか?」との質問に対し、日銀審議委員の水野 温氏は「日本の短期金融市場が混乱を来しているとは思わない。日米欧中央銀行が協調して行動を取ったと言われるが、そのつもりはない」と答えています。

31 日の講演で FRB のバーナンキ議長は、「市場の混乱が経済に及ぼす影響を抑えるために必要であれば、我々は行動を取る」と述べました。